エンケンが亡くなった、という記事を旅先で読んだ。
音楽とは何か、という事を教えてくれたのは、30年前のエンケンだ。
思春期の入り口に立っていた自分は、ようやく梅が咲き始めた偕楽園での茨城放送(AMラジオ)の公開収録で、それをビリビリと体感したのだ。
やがてギターを手にした少年はピックの持ち方が分からなくなり、演劇に出会うも創作力のなさに打ちのめされ、裏方の世界に迷い込み、今こうして字幕屋としてここに立っている。
自分もあの時のエンケンと同じくらいの歳になったけれど、全然そんな実感はない。
何者かになれたのか、未だ成れてないのか。
とは言え、あの日のエンケンの音楽が人生の針路を決める舵になったことは間違いない。去年9月に行けた渋谷のライブハウスが最後になったが、昔と変わらぬエンケンが嬉しかった。
写真はさっき見かけた南池袋の猫。日向ぼっこの邪魔をしてすまなかった。